タイトルなしの物語



白い天井?白いカーテン?


消毒液のにおい…ここは病院?


「…朱莉!」


「良かった…」


まだぼんやりとしている視界を左に移すと、安心した顔の紫苑と太陽がいた。


「し…おん…?たい…よ?」


「うん、俺、お医者さん呼んでくる」


紫苑はそう言って部屋を出て行った。


「心配したんだよ…」


普段見たことのない顔をした太陽が言った。


「ごめんね?」


「いや…悪いのは俺ら。朱莉をほったらかしにしてた」


本当に申し訳なさそうに太陽は言った。