タイトルなしの物語



「紫苑!早く来いよ」


「待ちきれない」って感じで太陽が紫苑を呼ぶ。


「じゃあ、行くよ?」


さっきから「良い」って言ってるのに…。


私はそう思いながら紫苑を見送った。


「あいつらとは幼馴染?」


見送るために上げていた手を下ろした瞬間、頭の上から声がした。


「1人でつまんないっしょ」


中学生だと思われる男子が3人、私の後ろに立っていた。


「……」


私は恐怖で声が出ないし、体も固まったように動かない。


ついでに目も彼らに釘付けになってしまっている。


「中1…いや、小6ってとこかな?」


そのうちの1人が私のあごに手を添えて気持ち悪いくらいマジマジと見てきた。


「君、何年生?」