タイトルなしの物語



「あっちー溶けそう」


隣で太陽が服をパタパタさせながら1分ごとに言ってる。


「大丈夫だって。人はこれくらいじゃ溶けない」


笑いながら言う紫苑の台詞も1分ごと。


「そーだ!プールに行こうぜ!」


太陽がとんでもないことを言い出した。


「…嫌」


私は全力否定。


だって私、泳げないんだもん。


「えぇーつまんねぇの」


太陽拗ねちゃった。


「私は着いて行くだけでも良い?」


「教えてやるから泳ごうぜ?」


太陽はどうしても私を泳がせたいの?


「嫌。見てる」


私はやっぱり全力否定。


そんな光景を紫苑はおかしそうに見てた。