タイトルなしの物語



「先生と何話してたの?」


「これ…拾ってくれたの」


私はさっきのクマの小物を見せた。


「それ、初めて見た」


そっか、瑞恵には話してなかったっけ。


「6歳の誕生日にね、太陽から貰った物なの」


「太陽から?」


瑞恵はものすごく驚いている。


「太陽ね、昔はすっごく明るくて、紫苑といつも笑い合ってじゃれ合ってるって子だったんだ」


「…想像できないんだけど」


そりゃそうだ。


私だって今の太陽に慣れちゃったもん。


「太陽ね、今の紫苑みたいに優しかったの」


「昔から好きだったの?」


「ううん、小6の頃からかな」