タイトルなしの物語



「あのね?クリス…」


「おい…言うとこいつも来るぞ」


太陽の言葉でようやく落ち着いた私。


光野くんは私を朱莉って呼ぶようになった。


太陽は嫌ならしいんだけど…。


そして、私は光野くんとは自然に話せるようになった。


少しは強くなったと思うの。


「ちょっと…そんなに警戒しないでよ」


光野くんは困ったように笑った。


「は?俺がお前を警戒せずにいられる訳…」


「あるんだなぁ…それが」


光野くんは意味ありげに笑った。