「それじゃあ行くね!」
「今日から高校生ね、気をつけて学校行くのよ」
「分かってるよ~!お母さんは相変わらず心配性だね!」
「ほんとに大丈夫?お母さんついていこうか?」
「やめてよー!恥ずかしい!大丈夫だから行ってきまーす」



今日から高校1年生。
あたしの名前は、新井亜由。
お母さん心配性だから長引いちゃった...。
お母さんについてこられたら困るよ(泣)
だってあたしは、ここに『出会い』を求めにきたんだからっ!



それはさかのぼること、3日前...


「あれ、きみ可愛いね~。どこの学校?中学生?高校生?一緒に遊ぼうよー。」
「あっ、あの、あたし急いでるんでっ!」
「大丈夫!大丈夫!俺らが送ってってあげるからさ~。家どこ?」
しつこいなあ...。ほんとにどうしよ~(泣)
「嫌がってんじゃん。やめたら?」
「は?誰だてめえ?」
「は?お前ら俺にそんな口聞いていいと思ってんのか?俺が誰だか知らないとは言わせねえぞ?」
「あ!あああぁぁ!お、お前は...おい!帰るぞ!」
誰だろ~?この人.....
「きみ大丈夫?こんな街中で1人で歩くのはあんまり俺は感心しないなっ。しかも、こんな可愛い子が短いスカートでいることもねっ」
え!えええぇぇぇぇ!
「は、はい///」
思わず返事しちゃったし。
この人なに!?どっかのモデル!?怖いくらい顔が整いすぎだよ...
どこの王子様!
あっ!見とれてるうちに行っちゃった。
お礼言うの忘れたあああああ!
でも、あの制服は確か...


と、いうのがあたしの出会いの始まり。
まあ、実際恋かどうかは自分自身もよくわかんないんだけどね(笑)
とにかく!あの時のお礼とあたしの心を一瞬奪ったあの王子様に会いたくて、王子様が通うと聞いた、嬌名高校に入ったのです!
でも、実際のところ、王子様追いかけて入ったから友達いないんだよねぇ(泣)
まあ、もうちょっとで入学式始まるし、体育館に行かくちゃ。


はあ、校長先生の話って絶対に長いんだよね。
いやだなあ...


「では、ここで生徒代表のあいさつ、北沢恭弥くん。」
あ!
あの時の王子様!!
「みなさん、高校生活は一番楽しいです!恋も部活も勉強も全力投球でっ!生徒代表、北沢恭弥。」
まさかの出会いキターーーー!!!!
でも、やっぱりいつ見てもかっこいい!
この高校入ってよかった~(笑)


って思えたのもつかの間だった。



なんでえええええええぇぇぇぇぇ!?
クラスに女子があたしも含めて3人しかいない。
どーなってんの~!?
意味がわからないまま、担任が入ってきた。
「え~、みんなおはよう!俺がこのクラスの担任のじゅんぺいだ。よろしくな~!まあ、みんなも知ってるとおり我が校は今年から共学校になった。元は男子校だから女子は少なくやりにくいこともあるかもしれないが、みんな仲良くなっ!以上!」

男子校だったとかきいてないよお(泣)←今更気づいた
あたしってほんとに馬鹿だ。