また次の日……
『くれんの?義理チョコでもいいからちょうだい!』
はぁ……。またこの話か……。
『はいはい。分かりましたよ』
あたしは仕方なく、重貴くんの分も作ることにした。
もちろんただのクラスメイトであり、好きでもなんでもなかったから義理チョコだった。
男子にあげるチョコを作る予定なんかなかったのに……。
『マジで?!お返しなにがいい?』
あのー……
気が早すぎやろ!
『なんでもいいで』
『わかった』
と、まぁメールボックスは重貴くんとのメールで埋め尽くされた。
それからも、いっぱいメールのやり取りを繰り返した。
バレンタインの話……
学校での話……
そして、恋バナも……
この時、あたしのことを好きだと言ってくれていた子、颯馬(ソウマ)くんの話もした。
その気持ちを聞いたことは一度もなかったけど……。
噂で勝手に流れていた。
あたしは、正直颯馬くんと話したことも少なかったし、恋心なんてこれっぽっちもなかった。
でも、性格はいい方だった。
優しくて、おもしろくて……
運動神経だってよかった。
他の女子だって、カッコいいと言っていた。
そう言われてみればそういうような気もするけど……
けど、あたしは恋なんて興味がなかった。

