「…おう。今から会えるか?」





都合のいい時に都合よく会える女。


そういう女で充分だ。




過去には触れないで欲しい。


誰にでも触れられたくない過去や、思い出したくない過去が一つはあるだろう…。




俺は過去の恋愛は封印した。



もう2度と誰かを好きになる事は無いだろう…。






───「久し振りじゃん…」


そう言って女の部屋に入ると、ムシャクシャした気持ちをもみ消すかの様に女を抱いた。


昼間の暑さを忘れさせる程の涼しい夜風が髪を撫でる。




10代最後の夏を迎えた。