落とし物

「あ、美春、遅かったね」


加奈が言ってきた。



「うん、ちょっと部屋間違っちゃって」



ソファーに座ると、佐倉君ががこっちを見てきた。


「美春ちゃん遅かったから、本当に具合悪いのかなって心配しちゃった」



「心配かけてすみませんでした」



「元気そうだしよかった」


爽やかな笑顔で言ってきた。



佐倉君、なんて優しいんだ!!


それにカッコいいなんて、もう罪な男だ。



本当に神様は不平等だな。



「美春ちゃんは歌わないの?」



「あ、私はいいです」



多少さっきの事が、頭に残っているものの、せっかくだから、楽しむ事にした。