中原は困っていた。

赤い軽自動車が東京を駆け抜ける。

何故、休みがいきなりなくなるのか…。
赤信号になったとき、愚痴を呟いた。

その答はすぐに理解ができた。

事件が起こったからである。

ぶちぶちと呟いているこの女、中原有紀は警視庁捜査一課の警部である。
茶髪でコテで巻いたような寝癖。礼服も急いで着たせいか、所々がシワだらけでだらし無い。

赤い狼は道路を走り抜けた。


今から向かう場所は都内でもトップクラスの頭脳が目白押しの紅羽学園である。

紅羽学園は文化コースと理数コースの2種類があり、どちらも国立大学進学を目標とした勉強をおこなっている。

紅羽学園に事件?