ドキドキ…。共学に編入してくれるのか?

そんな気持ちを抱きながら席に着いた。

するとお父さんが咳払いし、いきなり、

「瑞佳、好きな人いるのか?」

・・・何言ってるんだ。

いるに決まってんじゃん。


「いるよ」

「ほう、それは誰だ」


「あうん、えっとね」

とその横で

「あまり期待はしたくない…」

とお兄ちゃんがぽそり。

なんのことやら。

お父さんには聞こえてないし、それはおいとこう。

「それはね。・・・・お父さんとお母さんとお兄ちゃんだよ?」

「え?」

とお父さん。

「ほらやっぱり」


とちょっと呆れ顔のお兄ちゃんがぽそり。

そしてそのまま突っ立ているお母さん。


え?私なんか変なこと言った?


「こ、恋じゃないのか?」

とお父さん。え?え?今恋っつた?

ないないないありえない

「ないないないよ。ありえないよ。私の恋なんて。だいたい恋なんて大学行ったらか、大学出てからだよ」

うんそうだよ!

「あははは!さすが瑞佳だ。そういうと思ったよ」

横でお腹を抱えて笑うお兄ちゃん。え?なに?そんなにおかしいの?

「いいじゃない。高校生くらい恋をしたって。」

とお母さん。はぁ?

「ダメダメ!中学生や高校生のうちに恋愛というものをしていたら、勉強に手がつかなくなるじゃない。それに、友達とも仲が崩れ始めたり。今は友達が大事!」

うんうん!

「いいじゃないの。お兄ちゃんだって高校で付き合っていたんだしぃ。」

そりゃあ、お兄ちゃんはねぇ

「そりゃあ、兄ちゃんはケジメがつくし、静香さんもしっかりしているからで」

ちなみに静香さんはお兄ちゃんの彼女だ。それにお兄ちゃんと同じ大学へ通っている。

「そういわれると恥ずかしいなぁ」

と少々照れる兄…。

「瑞佳だってしっかりしてるじゃない。しっかりした人には、ちゃんとした彼氏ができるわ  よ。だいじょうぶよ。ね、お兄ちゃん」

「あぁそうだね。瑞佳なら大丈夫さ。そうだろう父さん?」

って今度は父かい!

「あぁそうだな。瑞佳が本気でその人を好きなのなら許す」

許すんかい!

「よかったわね」

「よかったな」

同時に言う、母と兄。

なんなんだ、この家族は―――!

まぁ、今はこの家族が一番大事・・・。