溺愛の王子様





勢いよく顔をあげ、大きな声で言う。



「好きにすればいーじゃないッ!抱きしめてキスしてその先だって勝手にしてよッ!どーせ、どーせ私は…ッ」


「かれ…」



叫び声なんかじゃない。

もう、悲鳴だった。



「どーせ私は、性欲処理もできない使えない女ですよッッ!!!!」





…遅かった。


俺は、守るべき女をこの手で傷つけたんだ。




「か、可憐、ごめ…」


優しく手を伸ばしても、

ビクッと身体を、跳ねさせ、



「い、…ぃや…」