溺愛の王子様




ドアをしめ、可憐を壁にぐいっ、と押し付ける。



「あいつ、お前のなに?」

「へっ…?と、友達だよ?」

「じゃあ、俺はお前のなに?」

「か、かれ…彼氏…」


こんなの、俺の勝手な嫉妬だってわかってる。

俺の醜すぎる独占欲だってわかってる。


でも、彼氏、というフレーズをいうだけで顔を真っ赤にする可憐をみると、いてもたってもいられなくて。



「じゃあ何であいつらと仲良く話してんの?俺をほったらかしてさ」

「…え、…あの、それは…ッ」



俺の冷たい雰囲気が怖かったのか、彼女はふるふると震え始めた。


「泣いてんの?他の奴らには笑顔なのに?」



「や、…やまざ…ッ」



彼女が男に触れられるのがダメなの、知ってるのに。

だからこそ、俺は…。





最低なことを言ったんだ。