溺愛の王子様



「や、やま…ざき…っ!」



切羽詰まったような上ずる声にハッとした。

勢いよく可憐を解放すると、彼女は泣き笑いという複雑な顔になる。



「…ご、ごめん!俺、つい嬉しくて…っ」


「あ、ううん、違うの。…あの、えっと…」


様子がおかしい。



「可憐…?」


心配そうに名前を呼ぶと、可憐は意を決したように顔をあげ、


「私ね、男の人に触れられるのダメなの」



彼女の過去を話してくれた。