「...! えっ!?」


弾かれたように、バッと顔を上げるとそこには....


「ぁ...あれ、一之瀬くん...!?」

「よっ」


スポーツバックをしょって、明らかにひとりだけオーラが違う男の子...。


一之瀬くんが目の前でイヤホンをもってるんですけど...。


「び…びびびくっりしたぁ...もう、」

「メール、誰から?」

「へっ?」


小言を言おうとした私を遮り、隣にどかっと座った一之瀬くんがケータイを指差していう。


「え、メール?」

「うん、メール。にやけてたじゃん」

「えぇっ!?」


に、にやけてたかぁ...。
恥ずかしい.....


「彼氏?」

「え、えぇっ!?」


何事もないような、平然とした顔で何を言うんだこの人は....!


「ち、ちちち違うよっ!有未!」

「あ、そーなんだ。彼氏は?いねーの?」

「うん、いないいないっ!いるわけないっ!」

必死に否定する私が....

「...あ、そーなんだ?」



かわいそう....