「まさか教卓の前になるとは思わなかったー」


帰りの駅までの道のりを有未と歩いていると、有未は参ったようにため息をつく。


今日の席替えで教卓の前になったみたい。

「でも隣は祐くんなんでしょ?」

「あぁ、だから、飽きはしなそうでいいわ」

祐くんとは、小林祐くん。

一之瀬くんの大の友達で一緒にいるところをよくみかける。
同じサッカー部に所属していて、みんなのムードメーカー。


「あんた、いい席だよねー」

私は窓際のいい席を当てたんだけど、
後ろがね.....


「咲磨と近いね」

「あぁー、うん」


一之瀬くんなんだよね...。

別に嫌いじゃないんだけど、女の子にモテモテすぎて、きっと授業以外は席に座れないなぁー…。


しかも、隣は...

「隣は山崎だっけ?」

「うん...山崎...」



山崎は同じ中学だった友達で....
私の一応、元カレ...。