ガタガタッ、と席を移動する音がクラス中に飛び交う。


俺は淡々と移動させ、絶好のポジションに頬ずえをついて窓を見る。


三階から見る景色はなかなかいい。


ーガタッー

前から音がして、ふと見ると結綺が席を移動させていた。


目の前にいる。


そんな当たり前のコトが実感に変わっていて、胸が高鳴る。


じっと見ていると、視線に気づいたのかバッチリ目があってしまい、思わず動揺した。


そんな彼女は俺にはお構いなく、


「よろしくね」


と、首を傾げてふんわり笑った。


微笑んだ顔が絶妙に綺麗に見えた。


「あぁ、よろしく」


そう返せた自分をよくやったと思う。