…どうしようか…。
「…愛は…まだ寝ているのだが今は俺もここを離れることができない」
一度起きてこの様だが、離れることができないのは事実。
小十郎はまだ知らないだろうし。
…さすがに起こすしかないな。
無防備にすぅすぅと気持ち良さそうに寝息をたてる愛を起こしたくない気持ちは山々なのだが…。
「愛、愛」
ゆさゆさと肩を揺らしてみる。
…だがいっこうに起きようとしない。
ついつい白い太ももに目がいってしまう。
…何を見ているんだ、俺は。
「起きろ」
理性を懸命に保ちながら思いきり愛の肩を揺さぶる。
すると、ん…と微かに声がして、むくりと起き上がってきた。
よかった…やっと起きたか。
…だが、息をついたのもつかの間。
バチッと目があった数秒間。
愛は口を開いた。
「きゃぁあっ!!」
部屋の中が愛の叫び声でいっぱいになった。
愛は俺が目の前にいたからびっくりしたのだろう、俺から離れようとした。
が。
「わっ!」
「きゃっ!?」
バランスを崩した愛の手が俺の着物を掴んで、ぐんっと引っ張られた。
――バタタッ…
「政宗様っ!」
…ダンッ
あ…。
運悪く小十郎が襖を開いて、見られてしまった。
よりによってこの体勢で。