小十郎には言いがたかったが、あたしは伊達政宗の方を見て説明する。
「ツンデレっていうのは、例えば、ほめられたりすると心の中では喜んでるのについつい照れ隠しに怒っちゃう人、みたいな」
伊達政宗の隣を歩きながら身振り手振りで一生懸命話すと伊達政宗はくっくっと笑い、小十郎は顔を真っ赤にして、眉間にしわを寄せる。
「なるほど。よく照れる奴という意味だな?小十郎にぴったりだ」
小十郎は後ろからあたしの背中をばしっと叩く。
「何であたしなのよ!」
振り返ってキッと睨もうとしたら、耳まで真っ赤にしながら逆に睨んでくる小十郎。
…か…可愛い…!
そんな顔真っ赤で睨まれても逆効果だし。
自分より明らかに年上の小十郎に目をキラキラさせていると、ある部屋についた。
「ほら、そんな浮かない顔をしていないで。茶を出してくれ」
小十郎に命令すると、伊達政宗は襖をさっとあけて先に入っていった。
小十郎は右手で口元を押さえながら一礼する。
「畏まりまして」
