*梨菜 side*
バイクを走らせてついた先は、この街を見渡すことが出来る丘だ
ヘルメットを外してハンドルにかけた
あー、苦しかった…
「梨菜ー♪見て見ろよあれ!」
柵に乗り出して空を指す
元気すぎ…と私は自然と笑いが零れる
千景の隣に立った
建物、車、人…ここから見渡したらこんなに小さいのか
たくさんの人が集まってる
「小さいね…」
「やっぱりさ梨菜と一緒にいると落ち着く~♪」
「…ありがとね」
「俺に惚れた?」
「まったく♪」
「手厳しい~」とふにゃふにゃになる千景
電話の向こうでもこんな会話だ
ノリがいいから楽しいんだ
「キスしない?」
「は!?」
ききききき、キス!?
「しよ?」
「何、言ってんの!?」

