なんなんだよ…
無意識に頭をかいている
チッと舌打ちをした
「なーに苛々してるわけ?」
「篤也…。なんでもねーよ」
ひょっこり後ろから顔を出す篤也
うまく交わそうとすると篤也も歩幅を合わせて隣を歩く
「梨菜、行っちゃったよ…」
「だから?」
「別に。聞いてみただけ…つか、お前態度悪いよな最近」
「…それで?」
「梨菜のせいだよな?」
そうだよ
だったらなんだってんだ
胸くそ悪い
「まあ、陵にとっては“妹”だしね♪」
「は?」
「ただの“妹”ならそんなに苛々しなくて…いいんじゃねーの?」
ただの“妹”…
あの日、梨菜に告られた日…俺が言った
梨菜はただの“妹”だって
仕方なかった…
考えたことなかったし
女なんてもう懲り懲りだったから

