「そうだ!デートしよ♪」
「はあ!?」
「ね♪行こうよ」
あの時みたいに、手を捕まれて歩き出す
咲良は龍君のバイクでもうとっくにどこかへ行ってしまった
皆が見てる…視線が痛い
「視線ウザイなあ…」
「千景のせいだよ…」
「なんで!?」
な、なんでって…コイツ無自覚なの?
毎朝、鏡見てキメてんでしょうがその頭
イケメン君
「まあ、いいや…はい♪」
ヘルメットを渡されて装着
後ろの席を叩いてる千景
跨がって千景にしがみつく
動き出したバイク
直に感じる冷たい風に、自然と腕に力が入る
このまま…どこか遠い場所に行きたい
誰もいない…静かな場所に
千景の背中に頬を擦り付けて、そんなことを思っていた

