「迷った時にさくらさんに相談していると思って読むといいわ。
龍也君に見せるかどうするかは、読んでからあなたが決めなさい。」

「…はい。わかりました。」

「重いでしょうから宅配で送っておくわね。住所教えてもらってもいい?」

ニッコリと笑った信子さんの笑顔に、あたしの心は複雑だった。

手に取った一冊をパラパラとめくってみると、綺麗な字で丁寧に毎日の思いが綴られている。

さくらさんの日記。

彼女が翔さんを愛して、龍也先輩と暮らした時間がこの中に全て詰まっている。

日記の中の彼女はあたしに進むべき道を教えてくれるのだろうか。

さくらさん…

あなたは記憶を無くさなくても翔さんを愛していましたか?