「…お前、泉原グループは知っているだろう?」

「ああ、そりゃ誰でも知っているだろう。浅井も春日もその系列のグループ会社だろう?」

「泉原グループの傘下には春日、浅井、水谷、瀬名と4つのグループがある。それを取りまとめているのが泉原だ。」

「……だから?」

「泉原と言えば世界をも動かす事が出来るとか言われている巨大企業だ。
その一つの春日グループの後継者の一人にお前はなるんだぞ?」

「俺が?ははっ、そりゃないだろ?俺の存在だって知られていないのに。」


龍也先輩は笑っていたけれど、この時あたしは既に感じていた。


あたしたちの未来に巨大な壁が立ちはだかる事を。


運命がすでにその歯車を軋ませて

ゆっくりと回り始めている事を。