「……じゃあ、急にいなくなったのは…。」
「彼女が記憶を取り戻して……お前たちとの生活の全てを忘れたからだ。」
予想していた事とは言えやはり言葉で耳にする事はその真実の哀しさに胸が潰れる思いだった。
龍也先輩の身体がビクッと小さく震えるのを感じる度にあたしは『傍にいるから』と伝えるように手を握った。
「父さんはどうして、母さんを無理にでも取り戻さなかった?
記憶が無くても写真とかビデオとか俺達の思い出はたくさんあって、それを見たら思い出したかもしれないじゃないか!」
珍しく声を荒げる先輩を宥めるように抱きしめた。
「翔が龍也にさくらさんを失踪した事にしたのは、お前の存在を春日家から隠すためだ。」
「彼女が記憶を取り戻して……お前たちとの生活の全てを忘れたからだ。」
予想していた事とは言えやはり言葉で耳にする事はその真実の哀しさに胸が潰れる思いだった。
龍也先輩の身体がビクッと小さく震えるのを感じる度にあたしは『傍にいるから』と伝えるように手を握った。
「父さんはどうして、母さんを無理にでも取り戻さなかった?
記憶が無くても写真とかビデオとか俺達の思い出はたくさんあって、それを見たら思い出したかもしれないじゃないか!」
珍しく声を荒げる先輩を宥めるように抱きしめた。
「翔が龍也にさくらさんを失踪した事にしたのは、お前の存在を春日家から隠すためだ。」



