【中編】『Love Step番外編』星に願いを

「聖良ちゃんのおかげなんだな?
…いい女性に巡り逢ったな。龍也。」

「ああ。聖良が俺に思い出させてくれたんだ。
笑顔も涙も…人を愛しく思う事も。」

「そうみたいだな。
今日おまえの顔を見たときにわかったよ。
おまえのそんな柔らかな顔は随分見ていなかったからな。」

「教えてくれ。俺は…母親の事を乗り越えたいんだ。
この先聖良と共に歩いていくために。」

龍也先輩はあたしの手をぎゅっと握った。

繋がった部分から彼の心が波立っているのを感じたあたしは、そっと肩が触れるように寄り添い、大丈夫と言う風にキュッと手を握り返した。

一臣さんはそんなあたし達を見て、満足げに目を細くして微笑んだ。