【中編】『Love Step番外編』星に願いを

オーナーの一臣さんは龍也先輩のお父さんと仲が良かったらしい。

だったらお母さんの事も何か知っているだろう。

龍也先輩はお母さんに正面から向かい合って、痛ましい過去の全てを受け入れようとしている。

それは彼にとって避けては通れない道で、いずれ必ず直面する大きな壁でもある。

あれほど憎んでいたお母さんと向き合う決心をした龍也先輩。

だとしたら…。

彼はこの旅行で何かを吹っ切る事ができるのかもしれない。

あたしにできる事は彼を支えて見守る事だけ…。

だけど、何故か胸がモヤモヤとしてスッキリしないものがある。


何故『今』なんだろう。


それがあたしの誕生日に重なったのは単なる偶然なんだろうか。