【中編】『Love Step番外編』星に願いを

その様子に凄く違和感があって、問う様に視線を送ると、珍しく少し慌てて何でも無いと視線を逸らしながら笑ってみせる。

龍也先輩のその仕草から彼が何かを隠しているのは明白だ。

「……先輩?どうかしたんですか?」

「あ、いや…聖良がここを気に入ってくれてよかったなと思って。」

確かにそれは本当だと思う。でもあたしは瞬時に確信した。

龍也先輩は何かしたくてここへ来たと言う事を。

彼は何かを決心してここへあたしを連れてきた。

もしかしたら…また龍也先輩のお母さんに関する事なのかもしれない。

龍也先輩はお母さんの事を考えたり話したりする時、無意識に力が入るのか手が凄く冷たくなる事に、最近気付いた。

今だってほら、指の先が白くなって色が変わっている。