喫茶店を出ると、広い駐車場。
待ち合わせたのが7時だったから、たぶん今はおそらく8時近く。
冷えた空気に、星がきれいに見えた。
駐車場には他に人はいない。
車もまばらに止まっている程度だった。
「あの、村瀬くん、ココア代…」
「いいよ、そんなの」
村瀬くんは外に出てもあたしの手を離してくれなくて、そのまま駐車場の端まで引っ張ってこられた。
「どうしたの?」
漸く手を離してくれた村瀬くんは、はあ、と大きくため息を吐いた。
「……あのね、あんなとこであんなこと言わない!」
「あんなとこであんなこと…」
なに?
あたしは首を傾げて村瀬くんを見た。
「だから、あんな人前であんな可愛いこと言うなって言ってんの!」
「…は?」
「……だぁっ!もう!!」
ぐいっと腕を引かれた。
気付けば、すっぽりと身体が村瀬くんの腕の中だった。


