「ここのココアすごく美味しいんだ」
「そうなんだ。ここにはよく来るの?」
「うん。学校の帰り道だし、しょっちゅう早紀と一緒に寄り道してる」
あたしも早紀も、多分常連さん認定されてると思う。
今日店に入ってきた時も、「今日はいつものお友達と一緒じゃないんですね」なんて言われたし。
「そうなんだ。コーヒーも、美味しい」
「そうなの?あたしいっつもこれしか頼まないから…。今度コーヒーも飲んでみようかな」
あたしがそう言うと、村瀬くんは優しく微笑んだ。
「ココア、好きなんだね」
「うん。大好き」
あたしは、そう言って思わず笑顔になっていた。
やっぱり、好きな食べ物の話は幸せになるよね。
「あの、さ」
カタン、とカップを置いて、村瀬くんはあたしを見た。
「…なに?」
真剣な目に、思わず身構えてしまう。
「俺、今ちょっと自惚れちゃってるんだけど、これ勘違いだったら止めてほしくて」
「……え?」


