「はい、おまたせ」


カタン、とあたしの前にココアの入ったマグカップを置く。

早紀はあたしの向かいに腰を下ろした。


「ありがと」

「それより何?ミコがあたしに相談なんて初めてじゃない?」


そう言って、早紀は自分のココアを口に運ぶ。


「うん…。なんて言うか、もはやあたしの頭ではキャパオーバーで」

「……なにそれ?」


早紀は、よくわからない、というように首を傾げた。


「単刀直入に言うと、あたしこの前の合コンで村瀬くんに告られまして、でもあたし」

「ぅええええぇぇえ!?」


あたしの言葉は、早紀の絶叫によって遮られた。


お隣さんに迷惑でしょうが。


このアパート壁薄いんだから。



「こっ、告られたぁ!?」

「え、うん」

「ミコが、村瀬くんに!?」

「だからそうだって」

「一体いつの間に」

「帰りのバス待ってるとき」

「……えええええーー」


早紀は本気で驚いたようで、大きく目を見開いて、そして「なんてこったい」とでも言いたげに頭を抱えた。




……なんだろう。

なんか失礼じゃない?