龍鬼と私。

「絶対変っ!!人間ですかっ。」



私が駐車場までの道でみんなに問う。



「人間だよ、ひどいなー。」



楓が言う。



「ヒビが入ったのもたいしたことないから、1ヶ月で治るとか、わっけわかんない。」




「龍鬼は不死身なんだよ。」





亮汰の言葉に私は振り返った。




「心配して損した。」




“ヒッドーイ”やら“鬼ーっ”やらと双子と亮汰が叫ぶ。




「オマエも十分変だろ。」




俊が言う。






「私は普通だ。」



そう返すと海斗が言う。




「全然普通じゃない。唯奈女の子なのにこんなに喧嘩強いしケガもたいしたことないし。」




「普通ー普通ー。」




私は知らんぷりして言った。





「俺らだって心配してるんだよ。」




蒼空が不安気に言う。



「オマエも心配してる分、みんなもオマエを心配してんだ。」




俊の言葉に一瞬嬉しくなった。




「ありがとーございますー。」


棒読みする私に“ムッカー”と言い走ってくる海斗。



逃げる私を追いかけてくる。




それにつられて、みんな走って追いかける。





バイクのところに着いた頃には双子に捕まりみんな笑顔。




最後に笑える。




千夏以外にこんな思いするなんて思ってなかった。





今私は彼らの中に存在している。