龍鬼と私。

考えている時間の方が長かったのか、タイミングを逃してしまったみたいだ。




入れ違いだったかな……。
一度病室に戻り、ナースに聞いてみることにした。





少しして、聞いた病室に行くため歩いている途中、トイレの前で唯奈ちゃんが立っていた。



幸い一人でいるみたいで、俺は少し緊張がほどけた。




勇気を出して唯奈ちゃんに近づくと、俺に気付いてまた下を向き目を合わせてくれない。
それでも、進んで唯奈ちゃんの前まできた。





「唯奈ちゃんだよね…?」





唯奈ちゃんはビックリして俺を見た。
だけど、みるみるうちに、顔を青くする。




そんなに嫌なのかな…。
幼い頃の友達にそんなに会いたくないものなのかな。
唯奈ちゃんも大分変わったみたいだし。



「俺のこと忘れちゃったの?」




もう止まれなかった。




切ない気持ちを殺して聞いてた。




「俺は覚えてたよ。ずっと……待ってたんだよ。………………え?!大丈夫!?」






突然唯奈ちゃんが目の前で倒れた。
俺はその辺にいるナースを呼んだ。




どうしたんだろ…不安だけが募った。






-end-