「首席入学の大和撫子、藤野夏希!!」
……あぁ!
あの、きれいな黒髪の女の子は、あの人だったんだ!
入学式の新入生挨拶で壇上に立った…あの人。
すっごい美人だなあ…って思ってたんだよね。
…なんか、緊張しちゃうかも。
「あの人すごいよねぇ~…。入学早々、呼び出し&告白!ばっかだったって」
「性格もいーらしくって、いろんな人に好かれてるらしいよお」
「頭脳明晰、運動神経抜群…って、もう最強じゃん!」
女子2人が、彼女について羨ましそうに語ってる。
そ…そんなにすごい人なんだ…。
あ…あたしなんかが一緒にいていいんだろうか…。
…卑屈すぎですかね?
「とにかくぅ…早く合流しちゃお!」
「行こっ!越谷くん」
すると女子2人は、越谷くんの腕をひっぱった。
「…え…。…あぁ…うん」
あれ…?
…なんか、ボーッとしてる?
越谷くん。

