『──新入生代表、藤野夏希』
ザワザワザワッ
あれ?
なんか騒がしい…。
あたしは、ボーッとしてたから、周りのことなんて気にしてなかった。
「なぁ…。あの子かわいくね?」
「うぁっ!超美人じゃん!」
「キャー!綺麗~!美人さん!」
あたしは、壇上を見た。
そこには、確かに。
黒髪の綺麗な超美人が立っていた。
『暖かい風と、先輩方に迎えられ……』
彼女が、綺麗な声で話しだす。
あたしも、思わず見とれてた。
「やっべ~。惚れたかも」
ふと、そんな声が聞こえる。
『惚れる』。
あはは…。
あたしには無縁な言葉だ。
男の子に全く免疫のないあたしが、どう恋をするっていうんだろう。

