そう思ったとき、調度電車が来た。 「おっ!調度いい時間に着いたんだな、俺ら」 そう言って、竜也は電車に乗り込んだ。 俺もあとに続く。 「あっ!ヤバい!電車行っちゃうよ」 当然、遅れた人達は駆けてやってくる。 もうすぐ扉が閉まる──という時だった。 「はあっはあっ…」 見慣れた黒髪が、なびいていた。 「…あ…。夏希ちゃん…」 竜也がそう、ぽつりとつぶやいた。 扉が閉まったとき、 彼女と目があった。