「よし、じゃあ、次!」


「…あっ…」




あたしたちがよくわからない会話をしていたら、彼の前の席の人が、席に座った。




「おい!越谷!お前も聞いてなかったのか!?」




こしがや……って、彼のこと…?




「……あの…自己紹介です…」




あたしは、彼…越谷くんに説明した。




「………あぁ…。なるほど…」



そう言うと、彼は立ち上がる。













………彼は、前髪が長めで、
まだ少し眠いみたいで、俯き気味だったから…




彼の顔を見たのは、


実はこれが初めてだった。









「越谷 陽です。よろしくお願いします」