「これはこれは、
どうもスミマセンでした。」
自分でもわかるほど見事な棒読み。
「なめとんのか??」
うわっ、これほんとにやばいかも!
ピアスの兄ちゃんは額に青筋をたてていた。
「あれー?
アイ?なにやってるの?」
するとそこにナオとシンさんが来た。
「てめぇんとこのガキか?
このガキが俺になめた口叩いてんだよ。 」
「あぁ、それは悪かったね。
しっかり説教しとくからここは手を引いてくれないか?」
シンが優しく笑顔でいった。
「ふざけんなよ!
こっちは怒ってんだよ!」
「だからあやまってるだろう?
それとも力ずくじゃないとダメなのかい?」
今度のシンさんの笑顔は殺気が出ていた。
私の背中にも冷や汗がたれた。
この人…船の中で一番怖いかも…
「ちっ、しっかりしつけとけ!」
そう言ってピアスの兄ちゃんは私を離してどっかへ行ってしまった。
「大丈夫かぁ?」
ナオが私に寄ってきた。
「大丈夫です。
ありがとうございました!」
