アイに勧められてきたこの島。

キレイな島だと思った。

だが…あれを見たとたん…

俺のなかの激しい憎悪が甦った。

あの時の記憶が…

「…俺も少し出てくる。」

「迷子になんなよー!」

「あぁ…」

忘れたかった…

何度も何度も忘れようとした。

でも…あいつが表れたんだ…

「あ、レオさん。」

「…ここにいたのか。」

突然船に乗ってきた女。アイ。

「はい!
 さっきレオさんなに見てたのかなって  思って!」

笑顔で言うアイがどうしてもアイツに見えてしまうんだ…

「レナ…」

「?
 何か言いました?」

「いや、何も言っていない。」

しまった。声に出ていたみたいだ。

「レオさん?
 知ってますか?」

「…」

アイは 
俺の目を見ないで真っ直ぐ”それ“を見つめる。 

「この島は“人々に勇気を与えてくれる島”なんです。」

!!

こいつは…なんで…

「もしかしたら、レオさんのその勇気って…」
まさか…こいつが知るわけない!

「今試される時かもしれないですよ?
…それがたとえ…」