「…おい。新聞はあるか?」

レオが珍しく口を開いた。

「し、新聞で、ですか!!」

途端にハルが慌て出した。

「…?」

「す、すみません!!
 生憎取ってないもので…」

「そうか…ならいい。」

そうレオが言うとホッとしたようにハルはため息を付いた。

「少し外に出てきます。」

アイが突然立ち上がった。

「どこいくんだ?」

「知り合いのおばちゃんの所まで。」

俺の問いかけにアイは笑って答えた。

「おねぇちゃん…」

「大丈夫。道ぐらいまだ覚えてるよ。」

少し不満そうにアイを見つめるハルの頭をアイは優しく撫でた。

そういえば…
さっきから気になってたことがあった。

ハルと出会ってから何か何時ものアイと感じが違うんだよな…

何か妙に男に近いような雰囲気が出てるような…

「じゃ、行ってきます。」

アイは笑顔で玄関を出て行った。

「何か、スッゴく仲良いね。」

シンが柔らかく微笑んだ。