LOVE PRECIOUS



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「はぁ、はぁ、!」


真っ暗な道を1人で走っている。


曲がり角もなければ出口もない。


ただ真っ暗な一本道。



『あなたは誰?』


ハルの声がする。



暗闇から突如風景が変わる。

そこは小さな港町。
しかしその綺麗な港町も今はあちこちで火柱があがっている。


火柱だけではない。
弾丸や斬り合い。
人がどんどん死んで行く。


あぁ…そうか…
これは戦争だ。


『どうして私を連れ出すの?』


「……っ!」


声が出ない。

理由を説明しなければいけないのに!

声がでない!


『止まれ!!
そこの海賊!今すぐ娘の手を離せ!』



声の方へ振り向いた瞬間。
また暗闇の中へ戻っていた。


「はぁ…はぁ、」


苦しい…苦しい…

上手く息が吸えない。


「この場所からでないと…」


今度は声を出すことが出来た。


私はない出口を探してひたすら走る。

その時


「えっ…!?」


急に足場が消えて真っ逆さまに落ち始めた。


「落ちてる…」


そしてだんだん意識が遠のいてきた。

そんな遠のく意識の中でまた声を聞いた。


『お前なんか…など……ぃ。』


最後の方には意識を手放しなんて言ってたのかは聞き取れなかった。


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『ガバッ!!』


目を覚まし体を起こすとそこは私の部屋だった。


「夢…か…」


これはさっき飲んだ薬の副作用と似たようなものだ。

しょうがないんだ。


「それにしても……
夢とは思えないくらいリアルだったな…」


ハハッと自称気味に笑えば手の甲に落ちてくる水滴。


「冷や汗までかいてやがる…」


こうなると自分のなかの感情が交差し二つの自分が現れてくる。


「情けないな…」


『コンコン』


すると部屋のドアが鳴った。

「はい?」

「俺だ。入るぞ。」


「ナツキさん?」


ナツキさんだった。

「どうしたんです?」

「いや、具合悪いとこ悪いが少し聞きたいことがあって……!?

お前!
すっげぇ汗かいてるじゃねぇか!!」


ナツキさんは目を見開いたあとまたすぐ鋭い目つきに変わった。