「心配してくれてたんですか?」
アイが驚いて目を丸くする。
「なんだよ。
俺が心配しちゃいけねぇのかよ。」
もう開きなおることにした。
「あ、いえ…
でも何か…その…」
「何だよ。」
「ごめんなさい。ナツキさん。
笑ってもいいですか?」
と一言いうとアイは大笑いし始めた。
「アハハっ!
ナツキさんが私のこと心配してくれてたなんて!」
何か、すっげぇ腹立つ。
ムカついた俺はまだ上に乗ったままのアイをつきおとした。
「いたっ!
ひどいですナツキさん!」
「うるせぇ!!
もうお前の事なんか心配するのやめたからな!
どうなっても俺の責任じゃねぇぞ!」
ったく。
心配してたこっちの身にもなってみろよ。
お前の暗い顔見ただけで俺はどうすればいいのかわかんなくなるんだからよ。
…あれ?
それっておかしくないか?
別にそこまで気にするようなことか?
でも今こいつの笑った顔見た瞬間そのモヤモヤが消えた気がする。
まぁいいかな。
俺が甲板を後にしようとアイに背を向けた。
「ナツキさん!」
「何だよ。」
「ありがとうございます!」
「…っ、おう。」
何だよ。
そんなに笑顔で言うんじゃねぇよ。
何かわかんないけど俺すっげぇドキドキしてる。
でも。
やっぱりお前は笑顔でいるのがいちばんだな。アイ。
ナツキSIDE終わり
