ナツキSIDE


「ふぁ〜
腹も膨れたしそろそろ部屋に戻るか〜。」


ハルの話を聞き終えると皆片付けに入りはじめた。


でも、まさかハルが記憶喪失だったとは思わなかったな。


それに、あいつがハルの記憶について何にも話さないって事も気になる。


「って言うよりナツキは
あの子自体が気になるんでしょ?」


「は、はぁ!?
シン!?お、お前何で!?」


「ナツキの心の声だだ漏れだよ。」


シンはにっこり笑って流しに洗い物をしにいった。


「な、なんだよあいつ。」


別にアイ自身が気になるんじゃなくてあいつの事が気になるんだよ!


だって謎ばっかりだろ?

女のくせに男の俺たちより強靭な強さをもって

世界で最強と呼ばれる海の上の三銃士とやらの知り合いで。

気にならない方がおかしいんだよ!


「…って!
ちょっ…」


ばんっ!!


「ん?

アイどうしたんだ?
そんな眉間にしわ寄せて?」


突然甲板にいたはずのアイとジェーンが帰ってきた。


でも何だか様子がおかしい。


「ねぇ!!
聞こえないの!?

待ってっていってるじゃない!!」


「………」


怒鳴っているジェーンにアイは無視。


「どうしたんだよ。アイのやつ。」

俺のそばにいたナオがボソッと呟いた。


「ハル…」


そしてアイは座っているハルの前まで来て一枚の紙切れをテーブルに置いた。


「お姉ちゃん?

これなぁに?」


不思議そうにその紙切れを手にとハル。



「アイ!!

聞いて!
それはあなたに解読するように頼んだはずよ!?


なぜハルにわたすの!?」.


「解読?」


皆が頭にハテナを浮かべた。


また面倒な事をもって来たのか?


「ジェーン。

私はさっきも言ったはず。

私なんかよりハルの方が何倍も頭がいいって。」



おいおい…

アイのやつキレてるだろ?

すっげぇ勢いでジェーンを睨んでる。