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「キャーっ!!」
6年前。
私は海賊集団に誘拐された。
私は大富豪の娘だったから誘拐されたり殺されたりするのは日常茶飯事だった。
だからいつもボディーガードがついてて私を守ってくれていた。
買い物するのにもボディーガードがいていっときも私から離れることがなかった。
そんな窮屈で自由のない生活が嫌だった。
だからこの時私はこっそり家族や使用人の目を盗んで屋敷を出た。
ほんの少しの家出のつもりだった。
そのほんの少しが命取りになってしまった。
私はさらわれすでに海の上。
奴らの船の中だった。
「くくっ、上玉だな。」
「こいつを売れば大金がもらえること間違いねぇ!!」
気持ち悪い。
近寄らないで。
私はもう終わりだと思った。
このまま売り飛ばされて真っ暗な人生を送るんだって。
そう思ってた。
家出なんてしないでおとなしくしてればよかったって。
そう思ってた。
「っ!?
てめぇ!!
何者だ!!」
でも…
あの時。
「やれやれ…
こんな空気の悪い船の中になんで素敵なお嬢さんが乗っているのかな?」
凛とした声にキッと睨んだ瞳。
全てがかっこよかった。
「元々この船の子?
それとも…
馬鹿な考えで家出でもしたのか?」
その睨んだ瞳は私を捉えた。
「てめぇ!!
邪魔をすればこの女の命はねぇぞ!」
私を攫った男は私の首にナイフを当てて彼を脅した。
「はぁ…
めんどくさい。」
そう彼は呟いて一歩前に出た瞬間だった。
「ぐぁぁ!!」
私を殺そうとした男はすでに倒れていた。
