LOVE PRECIOUS




ジェーンSIDE



「んんーっ!!
やっぱり夜の海は綺麗ね!!」


私はアイを呼んで甲板へ出てきた。


「そうだね。

夜の海は神秘的で好きだ。」


「やんっ♡」



「ジェーンに言ったわけじゃないんだけど?」


アイは呆れた顔をした。


「分かってるわよ!
冗談じゃない!!」


「さっきから冗談多すぎて信用できないの!」


はぁー
とため息をついて甲板のふちに背を預けたアイ。


その姿は綺麗過ぎて同性の私でも惚れてしまいそう。


まぁ、じっさい惚れてるのと一緒ね。


「その二重人格な性格は変わらないのね。」


「その二重人格みたいな性格にさせたのは誰さ。」


「あははっ!
誰だったかしら?」


紛れもなくそれは私。


「全くだ。
おかげでナツキさん達にはすごい人間なんじゃないかっていう目で見られたんだからね?」



「いいじゃないの!
第一女のコなのに男のフリしてたのがいけないのよ!」


「別に男のフリしてたわけじゃないんだけど…」


アイはははっと苦笑いした。



「それに、
どう考えてもあなたはすごい人間のはずよ?

だってあなたは…「ジェーン?
それ以上言ったら私はあなたを殺しかねない。」」



さっきまでとは違いキツく殺気のある目で見られた。


「なんでそんなに…」


拒むの?

という言葉は飲み込んだ。


アイがあの目で殺しかねないという事は本当になるから。