LOVE PRECIOUS



「いいじゃない。

ハルだって実の姉の昔話聞きたいでしょ?」



ピクっ…


ジェーンは話題をハルに振った。


「確かに昔のお姉ちゃんのことは気になります!!」


「でしょ!
それなら….「やめてくれ。」」


私はジェーンの言葉を遮って拒否した。


「ハルもジェーンのことをあんまり当てにしちゃだめだ、

彼女は嘘ばっかり言うからね。」



「え、その、」


ハルはわたしの言葉に戸惑っている。


「何言ってるのよ!

いつ私が嘘を言ったっていうの!?」


「さぁ?
いつだったっけ?」


私は笑ってジェーンを見た。


「まったく!!」


このやり取りをみてみんなは笑いの渦に入っていった。


何とか回避できた。



そう。
私はハルに一切昔の話をしたことがない。


私がジェーン達やユキ達と船に乗っていた頃の話も。


実の姉妹なら知ってておかしくないとみんなは思うかもしれないけど
ハルはある出来事で昔の記憶がない。

だから昔の話をして嫌な思いをさせたくはないから今までしてこなかったんだよね。


でも…
ジェーンがいることで一波乱あるきがする。

すぐにね……



「ねぇ!アイ!

食事も終わったことだし少し甲板で話さない?

私あなたに話したいことたくさんあるのよ!!」



ほら、ね?


「そうだね。
甲板で2人っきりで話そうか?」


みんなが甲板にこないようにわざと2人っきりという部分を強調させた。


「じゃぁお二人さん?
昔話をじっくりしてきてね?」


シンさんがにっこり笑って手を振った。


ははっ、何と無く感づかれてるんだなぁ。
さすがシンさん。


そう思って私達は食堂を後にした。