LOVE PRECIOUS




「ねぇ!
私をしばらくこの船に乗せて!」


「は?!」


まぁ、この大海原でジェーンを助けた時点で一緒に船に乗らなければならない。



「私はいいけど…

ナツキさん達が…??」


チラッとナツキさんをみる。


うわぁ…
眉間にシワが沢山…。

いつも以上に不機嫌。


「ちっ、しょうがねえな。

その代わりに面倒はお前が見ろよ!」


ナツキさんは渋々了解してくれた。



「よかったわぁ!

またあの大海原に逆戻りはいやだもの!」



「少しは海に沈めばジェーンのアホな頭は冷えるんじゃないかな?」


意地悪に言ってやる。


「何よ!
どうせ私はアホですよ!!」


ジェーンはふんっと顔をそらしてしまった。


「部屋は私と同じ部屋でいいよね?」


「もちろん!!

とびっきりの夜にしましょうね?」


「やっぱりお前は私に沈められたいんだな?」


にっこりとわらってジェーンに拳を向ける。



「嘘よ!嘘に決まってるじゃなーい!!」



そう言ってジェーンは部屋から逃げてしまった。


まったく。
相変わらずといっていいのか…



「おい。」


ナツキさんに呼ばれる。


「何でしょう?」


「お前。
もしもあいつが俺たちに下手な真似したらわかってるんだろうな?」


「わかってます。」


「…じゃぁ。
もしそうなったらどうすのだ?」


レオさんがジッと私の目を見つめる。



分かってる。
ジェーンがユキ達と接触したってことはそれなりの事を考えておかないといけないということだ。


「その時は…



自らこの手であの子を…」


彼女にあった時点で私の決断は決まっていた。


この決断が吉とでるか凶とでるかはわからない。


ただ…

私が手を下さない事を祈りたい。