LOVE PRECIOUS




「後さ、
あいつらあれだろ?」


ナオがうーんと考えている。


「何?」


「ほら、あいつら見てルカが言ってた!」



「…海の上の三銃士。」



レオさんが静かに言った。



「そうそう!!
あれってどうなんだ!?」



「お前は本当に何も知らないんだな。」



ルカさんが呆れてため息をついた。



「何だよ!
みんなだって知らないだろ!?」


ナオが顔を真っ赤にして怒鳴る。



「"海の上の三銃士"って言うのはな。
どこの誰よりも強くこの世界で1番強いと言われている伝説の三人だ。」


ルカさんが説明し始める。


「しかもその三人が伝説になったのは数年前の事。

4年前に起きたあの戦いの時だった。」



「…政府軍と反政府軍の戦いだったな。」


レオさんの顔が険しくなる。



「当時は反政府軍に多くの海賊が後ろに着いた。

多額の報酬金を得るためにね。


街や海は大荒れだった。

俺はあの日を忘れはしないさ。」



ルカさんが悲しそうな目をする。



確かにあの戦いで多くの罪なき命がこの世を去って行った。


私もしっている戦いだ。


「そこで出て来たのがその三人らしい。


噂で聞いたところ奴らは政府軍と反政府軍両方を相手に戦い圧倒的な力で勝ったらしい。」


「え!?
三人だけで両軍を!?」


ナオの目がだんだんキラキラしてきた。


単純…


「俺も詳しくは分からないけど
奴らは凄まじい身体能力と頭脳で見るものまでを圧倒したらしいぜ。」


見るものまでを圧倒した…か。



なんか、噂には聞いてたけど凄く有名なことになっちゃってるんだね。


私は無意識のうちに口元に笑みを浮かべていた。