LOVE PRECIOUS



「は……?」

突然騒いでいた開場が静かになった。

俺は何かあったのかととじていた目を恐る恐る開く。

「ふざけてる…そんなことありえないだろ…」

俺は目を疑った。

「誰もできやしない…」

100人ほどの海賊達は武器を持ってアイに襲いかかったはず。

しかも360°囲まれて逃げ場はない。

なのに…なのに…

「…時間が…止まってるみたいだ…」

レオが呟く。

アイを中心にして襲いかかっている敵の攻撃がアイには触れず、寸前で止まってる。

「そんなこと、できるわけない。
時間を、止めるなんて。」

シンが少し震えながら言う。

そして…俺達が怯んでいるその時…
止めの言葉と言うかのようにアイは静かに言った。

「邪魔だ…」

『カランカランっ』

「に、逃げろ!!
殺されるぞ!!」

周りの奴らは武器を投げ捨てアイから逃げていった。

「お前ら何か俺の足元にもおよばないんだよ。」

ニヤリとアイの口が歪む。

もう…俺達の知らない…アイだ…