LOVE PRECIOUS


「あの時にハルがさらわれたときか!?」

「私、お姉ちゃんに、言うなって…」

「ふざけんなっ!」

ルカがキレた。

「ルカさん。」

その声を聞いてアイは俺達に背中を向けて話した。

「何も手を出さないで下さい。
悪いですけど…ハルを守る事ができるのは、この私だけです。」

『ビリビリっ』

えっ…

「な、なんだこれ…」

自分の体がなぜか痺れてる。

伝線は通ってないはず…
なのに…

「ま、まさか…」

アイ、お前…

「なぁ…お兄さん。
よく俺のものに手ぇだしてくれたな?」

アイが急に豹変した。

「ね、ねぇ…
この殺気…アイが出してるのか?」

このビリビリとした痺れ、

「そうだろ…
アイツが出してる。」

「手ぇ出すってことはそれくらいの償いが必要だぜ?分かってんのか?」

ゆっくりゆっくりアイが歩き出す。